05:Friends

 

人間(ひと)の考えている事なんていつだってバラバラで、どれが正しいとかどれが間違っているとか本当はないんだから、色々な考えの奴がいていいんだけど…

俺の考えている事はたいていみんなと違っていて、でもそれは間違っていないんだ、それでいいんだ、って認めてくれる奴も居なくて…

だから俺はいつもみんなと違うんだって思っていた。

 

「お前は、お前じゃん」

たった一言。本当にたった一言だったけど、その言葉で枷は外れた。

どうして言って欲しい言葉を言ってくれるのか、どうしてこんな俺なんかと一緒に居てくれるのか。

「トモダチだろ?」

「友達」とか「愛している」とか…口にすると薄っぺらい言葉かもしれない。

けど…それは俺が言葉にして欲しかったたった一つのこと。

友情は目に見えなくて、俺みたいに心のスレた奴には言葉にしないと伝わらないから。

「友達」なんて、友達だ何て思ってなくても使える便利な言葉だけど。

…でも、あいつが口にすれば信じるに足る言葉だったから、ただ嬉しくて、涙が滲んできた。

あいつは俺の突然の涙にうろたえながらもぽんっと頭を撫でて笑ってくれた。

 

あいつが親友だと思ってくれるような人間になりたかった。

あいつの友達として恥ずかしくない人間になりたいと思った。

俺にとっては初めて友達と言える存在だったから、付き合い方もうまく出来なくて、意地っ張りで不器用で我儘で…

迷惑ばっかりかけていたけど。でもそんな俺といっつも一緒につるんでくれてた。

 

あいつが俺のトモダチだと言った時から、俺の世界は彩を持って動き始めた。

 

 

…なのに。

『あの日』から、俺の“時”は再び止まった。

トモダチを失う事でこんなにも、抉られたような心の痛みを覚えるなんて…

失って初めて失ったものの大きさ、尊さ…そういうものがわかった。

 

俺はあの日から罪を背負った。俺はあいつを殺したも同然の事をした。

…こんな俺を、「トモダチ」だと言ってくれたあいつを犠牲にして、まるで踏み台のようにして生きているなんて。

 

 

罪は俺の心を蝕む。呪う。縛り上げてゆく…心が軋み、悲鳴を上げている。

俺は赦されたいんだと思う…俺は…赦されたい。

トモダチと言う何よりも尊いものを殺した罪から。

 


FEELINGで書いてしまったので何だか変 AC予告の「俺は赦されたいんだと思う。…俺は…赦されたい」を引用。

03/11/04

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