Petit Party

 

降誕祭の夜。まだ15・6歳のブルーは自室の小さな暖炉に火を灯し、手に息を吹きかけた。

白い指先はすっかり冷え切って冷たくなっている。

降誕祭前夜は大聖堂に行ってお祈りをするくらいで、同じ年頃の子供たちのようにパーティーをしたり

ケーキを食べたり、プレゼントをもらったり…などということは学院の術士の卵たちには無縁だった。

「降誕祭前夜にはサンタクローすと言う人が来て、夜中にこっそりベッドに吊り下げた靴下の中へ贈り物を入れていくらしい」

そんな話も幼い頃に聞いていたがブルーは全くの無関心だった。

そしてその年の聖夜、夜遅くまで起きていたのは本当に偶然だった。

本を読み始めたら続きが気になって読み進めているうちに日付が変わってしまっていた。

毛布の中に入って一ページ一ページめくっていった。

こつこつ、と窓を叩く音がする。ブルーはぎょっとして顔を上げた。

侵入者だったら、覚えたばかりの術インプロージョンでしとめてやる。

そう思ってブルーが構えているとぎぃと窓が開く。白の毛皮のショールをかけ、赤い帽子を被った人間が袋を担いで窓から入ってきた。

『もしやこいつが噂のサンタクロースとかいう奴か?』

だとしたら夢の無い出会い方だ、とブルーはガラにも無く思った。

眠っている時に来て去っていく、会えない人物だからこそ子供の抱く夢も広がるのだ。

サンタクロースはそっと床に降り立つと曲がった白いふわふわのついた帽子をきゅっと直した。

そしてゆっくりと顔を上げる。

その顔を見てブルーはがっかりしたようなほっとしたような気持ちになった。

サンタクロースの正体は双子の弟のルージュだった。

「やあブルー。メリークリスマス。君が眠っている時にこっそり来て贈物を置いておくのも悪くないかなと思ったんだけどね」

ルージュは担いでいた袋を下ろした。

「起きているならこっそり2人でこれからパーティーをしよう。学院の寄宿生だけ降誕祭を祝えないなんておかしいよ」

ブルーの返事を聞く前にルージュは袋から様々なものを取り出した。シャンパンにワイン、ケーキ、チーズ…

「おい…酒を飲むのか?」

ブルーは眉を顰めながらも肩にショールをかけベッドからカーペットの上に降りる。

「降誕祭だもの少しくらいは、ね。固い事言わないで」

ルージュはブルーにマグカップを持たせるとワインを注ぐ。

自分のカップにも注ぐと、かつんと音を立てて乾杯した。

「僕達の出会いに」

にこっと笑い、ルージュはワインを口にした。ブルーもそっと口をつける。

甘くて口当たりの良い、飲みやすいワインだ。

何度か杯を空け、ブルーは少し酔って目じりを紅く染めていた。

とろんとした目つきや唇についた雫をぺろりと舐め取る仕草も艶っぽい。

『今なら何かしてもヤッたもの勝ちかも…』

ルージュの頭によからぬ考えがめぐる。彼はそっとフォークでケーキを削り、ブルーの唇の前に差し出す。

「…あーん…」

ルージュのその言葉を受け入れてブルーは口をあける。

普段の彼なら絶対にしないような甘えた仕草がたまらなく可愛いとルージュは思った。

フォークの先に這わせる舌にルージュは妙に高揚した。

「苺は、半分こ」

そう言って自分が先に苺を口に入れてしまう。その後にそっとブルーに口づける。

「ん…」

鼻にかかったような甘い声。そのまま舌を差し入れてもされるがままだ。

『いつもこうだったら可愛いのにな』

くすりと笑ってルージュはさらに口付けを深くする。

「ん…ふ…んぅ…」

ルージュがブルーの頬に添えた手を放すと、細い糸を引いて唇が離れた。

「んん…」

ブルーはルージュにもたれて肩に頭を乗せ、肩で息をしている。

もしかしてこれはオイシイシチュエーションなのでは?とルージュは思った。

このままこの愛しい人に手を出しても、今の状況なら不可抗力だろう?

こんな仕草を見せて挑発した彼にも責任はあるだろう?

短い葛藤の末、ルージュは決断したが、その頃には酔ったブルーはルージュにもたれかかって静かな寝息を立てていた。

ルージュは苦笑いすると軽く溜息をつき、ブルーをそっと抱えてベッドに移動させた。

風邪を引かぬよう丁寧に毛布をかけ、パーティーの後片付けをする。そして枕元に小さな箱を置いた。

中身は羽を模ったルージュと揃いのピアス――――2人は片翼同士、2人で1人…離れていても心は側に、と思いを込めて。

ルージュは眠るブルーの瞼にそっと唇を落とすと、窓を開けた。吹雪く雪が僅かに舞い込んでくる。

「おやすみ、ブルー、よい夜を…」

紅い帽子を被りなおし、ルージュは窓の外に飛び降りた。

雪の中に足跡を残し、銀髪のサンタは静かに去っていった。

 

HAPPY CHRISTMAS!!

 


ぐわーなんかすげぇエロくてすみません!!(笑)書き始めたときはこんなんじゃなかったはずなんですけど…
設定は15・6歳なんですが15・6の男の子だったら一応そういうこととか考えるかなーとか思って書いてみた。
か、考えませんかね…?高校生くらいだよ…?

Dear:じぜる様

リクエストありがとうございました。リクエストにまったりほのぼのとか書いてあるのにえろい路線ですみません…汗。
ハロウィンの時っぽい感じ、とコメント欄に書いてあったので微エロくしようと思ったらなんかすごくえろくなってしまいました;
こんなのですが、じぜる様に受け取っていただけたら幸いです…v

I Wish You A Merry Christmas...

 

BACK(企画頁へ) 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送