どうぞゆきなさい おさきに ゆきなさい

きみと すきなひとが 100ねん つづきますように

 

 

ハナミズキ

 

たった今でっかいでっかい国が空から落ちてきたと言うのに、空はなんにもなかったかのように青いでチュ。

たくさんの、流れ星みたいな国のかけらが、地面へ吸い込まれていきまチュた。

悪玉しゃんは、流れ星のかけらと一緒に、ちゅらり〜んと消えてしまったはず…でチュた。

おひさまも知らん顔して西へ西へと沈んでいきまチュた。

 

その間、ずっとずっと長い間、女王しゃまとシタンしぇんしぇえと、エリィしゃんと、バルトしゃんと、ビリーしゃんと…

みんな集まって長い長い話をしまチュた。

わたチュにはよくわからないおはなしでチュた。最後に…フェイしゃんを、ナントカ凍結にする、と言うことだけ分かりまチュた。

 

それは、フェイしゃんを生きたまま、凍らせるということでチュた。

わたチュはフェイしゃんにはじめてあった時、「どこまでもついていく」といいまチュた。

フェイしゃんが凍った時、チュチュのハートもきっと凍ってしまうでチュ…

わたチュには、なんにもできないんでチュか?

 

たしかに、赤いギアに乗ったフェイしゃんは怖かったでチュ。

炎のように赤くて、わたチュの知ってるフェイしゃんじゃなくって…大好きなエリィしゃんを殺そうとしまチュた。

でも…でも、チュチュには、あれがフェイしゃんの本当の姿だとは思えないでチュ。きっとみんなの誤解でチュ。

なんでそう思うか、って?ふっふっふー、ズバリチュチュの恋する乙女の勘でチュよ!

 

なんとかフェイしゃんとお話したいと思って、フェイしゃんの閉じ込められてる牢屋まで来たでチュ。

ん…?誰かいるでチュ。まさか、まさか新しい悪玉しゃんでチュか?!

 

「誰でチュか?!悪玉しゃんは、チュチュがちゅらり〜んとお空のかなたまでぶっとばしてやるでチュ!!!」

勇気を出して叫ぶと、

「チュチュ?!」

わたチュのよく知ってる、優しい声が返ってきました。エリィしゃんでチュ。

エリィしゃん、長い話が終わった時、とても悲しそうな顔をしてまチュた。

エリィしゃんにそんな顔させるみんなに、チュチュはちょっぴり腹が立ったでチュよ。

近づくと、エリィしゃんは驚いた顔をしていまちゅた。細い手には、こっそりもってきた鍵が握られてたでチュ。

「フェイしゃんを助けるでチュか?」

わたチュが聞くと、エリィしゃんは悲しいような困ったような顔をして黙ってしまったでチュ。

わたチュは、ひょっとして見ちゃいけなかったのかもしれないでチュ。

フェイしゃんの凍結はみんなで決まったことなのに、エリィしゃんは破るつもりなんでチュ。

「わたチュ、何にも見てないでチュよ」

「チュチュ?」

みんなで決まったことを破るのは、本当はよくないことでチュ。でも…

「エリィしゃんはフェイしゃんのことが大好きでチュ。助けたいのは当たり前でチュよ。

チュチュは、エリィしゃんのことも、フェイしゃんのことも大好きだから、なんにも見てないでチュ!」

「チュチュ…」

エリィしゃんは困ったような、微笑のような顔をしたでチュ。

さて、ほいじゃぁわたチュは、なんにも見てないんだから行かなきゃ行けないでチュ。

くるっと回って半回転でまた、暗くて長い廊下を歩き出しまチュた。

後ろから、エリィしゃんのやわらかくて、でも搾り出されたような細い声が響きまチュた。

「ありがとう…ありがとう、チュチュ。私もあなたのこと、だいすきよ」

なんにも見てないのだから振り返るかわりに、しっぽをぴょこぴょこと振ったでチュ。

エリィしゃん、頑張ってくだしゃい。おんなじ恋する乙女として、応援するでチュ。

 

フェイしゃんとエリィしゃんが、100年幸せでいまチュように…


チュチュ、カーボナイト凍結決議の夜、謝りにこないので…こんなのがあってもいいかな、と。

08/04/27

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