泣いて愛を乞えばいい すがり叫んで伝えればいい

あなたの事が好きだと 愛しているなら 簡単だろ?

 

希う―コイネガウ―

 

赤の他人だったはずなのに、偶然か必然か 2人は出会って。

称号は「他人」から「知り合い」に格上げ、仕事を重ねるうちに「知り合い」から「仲間」へランクアップ。

 

「仲間」の先はどうなるんだろう?

 

特に関心もない間柄から気になる相手へ、そのうちに、他の誰にどう思われようとも、あの人にだけは好かれたくなって、

あの人に嫌われたら、本当に世界の全てが終わってしまうんじゃないかと思うほどに。

プルミエールの心は切ないほどに狂おしく。

幸いな事にグスタフも彼女に好意を抱き、暗黙のうちに恋人として扱われ、彼女が幸せになれたかといえば姫君はますます想いを募らせるばかり。

良くも悪くも不器用な恋人は、彼女に気の利いた愛の言葉一つかけてくれない。

想いがなければ言葉が意味を持たないのと同様に、言葉にしなければ想いは伝わらない。

彼がいくら彼女の事を大切に思っていても、彼女には伝わらない。

 

彼は私の事を本当に愛しているのかしら、彼の気持ちがわからない。

不安で不安でたまらない、何しろ彼は彼女の全てなのだから。

彼女自身も彼の全てなのに、そんなことを露知らない彼女の瞳は今日の空のようにグレイに曇ってしまう。

彼女の見つめる窓の下、1人の子どもが泣き喚いている。

鼻水垂らして大口開けて。欲しい、欲しいよ、返してよ。僕の玩具を返してよ。

ああ簡単な事。欲しいものを欲しいと乞うのは至極簡単な事。

愛が欲しいなら乞えばいい。

相思相愛のこの二人、想いを伝えさえすれば想いは間違いなく返ってくる。

愛しているなら簡単な事。違うかい?

 

でも彼女にはそれが出来ない。

拒絶が怖い。1人が怖い。見苦しくすがる自分が怖い。

 

想いが交錯する。曇った空から憂いの雨が落ちる。

 

ド ウ カ 彼 ラ ガ 幸 セ ニ ナ レ マ ス ヨ ウ ニ


たまには痛いのも書きたい

05/03/02

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