毎日毎日、ワイド候のところへ通う日々が続いた。

いくらワイドを奪取するための作戦とはいえ道化者に成りすますなんて、誇り高い貴方にとって本当はどれほど屈辱だったか。

普段は平気なふりをしていても週末になるとお酒に手が出てしまうのはそのためだったのね。

 

今日も酔いつぶれて、私の膝で眠ってしまった。

酔いつぶれてもこんな事は今までなかったから、少し恥ずかしい。

とってもよく眠っていて起こすに忍びないから…このままにしておいてあげましょう。

私の膝に身体を預けて眠る貴方。目が覚めたらどんな顔をするかしら?

驚くのか、恥ずかしがるのか…その表情を想像すると少し可笑しい。

そっと顔にかかる金髪を分けてみる。ぱら、と流れるように灯りに透けて輝く金髪が零れた。

この人がこんなに無防備な寝顔を他人に…私に見せるのかと思うと嬉しくなってくる。

少なくとも私の事を嫌ってはいない、信頼されている証拠…そう思うから。

どんな夢を見ているの?貴方のその夢の中に私はいるの―――――

 

こうして貴方を静かに見つめるたびに、私は貴方の事をこんなにも好きだったんだ、って改めて実感して、何だか少し悔しい。

だって、私はこんなにも貴方が愛しいのに、きっと貴方はどうとも思っていないのでしょう。

それが何だか悔しくて…切なくて、私の胸を締め付ける。鼓動が兎のように早くなる。

 

貴方の目が覚めたらとびっきりに酸っぱい檸檬を用意して、少し意地悪してしまいましょうか?

 


小林画伯のサイトにギュスレスの膝枕絵があり。
それとは少しニュアンスが違うけど。あれは合意済膝枕!って感じ。

04/08/11

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