荒くれ者で捻くれ者のパイロットさん 元気にしてるかな
061:A Vaper Trail
はじめに出て行ったときは何にも言わずに出ていきました。
ある日、タイニーブロンコを貸して欲しいといってきた方がいらっしゃって、
その方はクラウドさん、という方でした。金髪で目の蒼い、端正な顔の男の方で…
その方たちはちょうどルーファウス新社長がいらっしゃるという日にこのちっぽけな村にやってきました。
タイニーブロンコを返せという若社長と、艇長の間で言い争いをしている間に操作を誤ったタイニーブロンコは離陸してしまい…
その離陸してしまったタイニーブロンコにはクラウドさん達も乗っていて、艇長はそれに飛び乗るとどこかへ飛んで行ってしまいました。
そのまま帰ってこず、ひょっとしてあのまま…などという考えもよぎりましたが、そう思わないようにしていました。
あの時飛び上がったタイニーブロンコに飛び乗った艇長は本当に嬉しそうで…
宇宙開発計画が打ち切りになってしまって以来、艇長のあんなに楽しそうな顔は見た事がありませんでした。
実際、私も失礼ながら小気味よいと思ってしまいました。あの若社長の目の前を飛んでいくタイニーブロンコを見て…
2度目に出ていった時も艇長は嬉しそうでした。
あれは、ちょうどメテオが現れた頃にロケットの打ち上げ計画が再び持ち上がって、艇長が再び村に戻ってきた時でした。
艇長は念願の宇宙にやっと行く事が出来て、艇長は感動していました。私も…艇長の夢がかなって本当に嬉しかった。
あの日、艇長は私に一言言ってまた出ていきました。
「シエラよう、オレ様は今またハイウインドに乗ってるんだ。星を救う船だぜ!
…タイニーブロンコん時は何にも言わずに出てっちまってちっと心配かけたが、
今度は、空を見上げりゃオレ様のいるところがわかるから一安心だ!じゃ、また行って来るぜ」
それ以来、空を見上げるのがとても楽しみになりました。
今まではメテオが空を占領していて空を見上げると憂鬱な気持ちになりましたが、今度は違います。
飛行機雲を見るたびに嬉しくなってきます。飛行機雲を出せる乗り物は今は世界にたった一つ。
艇長が星を救う船に乗って空を駆けているんだと思うと、空を見上げる時に気持ちが暖かくなってきます。
今日も艇長は元気で頑張っているんだって、思えるから。
いつか、また以前のように艇長と暮らせる日を夢見ています。飛行機雲を見つめながら。
シドっておっきい子供みたいで、自分の自慢を好きな人に聞かせたい人で、また好きな人をいじめちゃうタイプだと思う(笑)
04/01/08
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