006;Polaroids
「パイン」
「え?」
かしゃっ
じー、じー
「……」
バラライがギップルにポラロイドカメラなんか借りてきた。
「…あんたさっきから何回こんなことすれば気が済むんだ」
「でも何度となく同じ手に引っかかる君も君だと思うよ」
バラライは微笑すると撮った写真を差し出す。
だんだんと画像が浮き出てきて一枚の写真になる。
海を眺めながら、ふと振り返る自分の姿。
「見返り美人だね」
からかっているのか…バラライのセリフが恥ずかしくて私はまた海の方を向いた。
私とバラライはそれぞれカモメ団と新エボン党ににいて…
何かにつけて「彼は違う世界の住人だ」と実感する面が多いけれど、
こういう子供っぽい面を見るとなんだかほっとするのは何故だろう?
…彼は決して遠い世界の人間じゃない、と思わせてくれるからなのだろうか?
バラライは写真を片手に呟いた。
「君が何度でも同じ手にひっかかるのが可愛いからつい撮っちゃったけど…」
「……」
呆れて、何と言ったらいいか…相槌すら打てない。
だが余計なところをツッコんだら、またさっきの二の舞だろう。
「一枚くらい笑顔の写真があってもいいよね」
呼ばれて振り向いては写真を撮られ、を繰り返していたから似たようなアングル・似たような表情の写真ばかりだ。
「パイン、笑って〜」
バラライがカメラを向けて声をかける。が、私は聞こえないフリをした。
このくらいの意地悪は許されるだろう。
バラライはあきらめてカメラを下ろした。
彼の手元に落ちている写真は所詮仮初めのもの。
そこに写った景色は時間と共にいずれ消えてしまうだろう。
けれど…2人で過ごしたこの時間、この思い出は…消える事は無い。
…いつまでも。
テンツーはやってないけど、バラパイ。二次創作系サイト回ってアカギ系では一番いいと思った。
03/10/08
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