きみは なにをみてる? なにをかんがえてる?
うたをきかせて。
私と君はまるで異質な存在だった。
無機的で感情を表に出さない私。
対する君は人の事でムキになって怒ったり、涙を流したり。
些細な事でもすぐに笑って、小さな変化に一喜一憂した。
見ていて飽きない喜怒哀楽、感情の嵐。
タノシイ、ウレシイ、ムカツク、カワイイ、オイシイ、カナシイ、ツカレタ、スキ、キライ、ホシイ。。。
気持ちを素直に言葉に出す、君は無邪気で。
どうしたら君のように感情が出せるのか、何故私はこうなのだろうか、と聞いた私に君は言った。
「あんたの心はさ、寝ぼけてんだよ」
「寝ぼけている?」
「そ。ずーーーーっとカンオケの中なんかで寝てたから心が寝ぼけてんの」
君は、私に感情がないだとか、決め付けたりしない。
そのまっさらで自由な心に―――惹かれた。
そんな天真爛漫な君が、ふと見せる、切なげな表情。
君の心をそんな風に曇らせるのはいったい何のため?
…けれど答えはすぐに出た。
私自身の“寝ぼけた”心。君の気持ちに気付けなくて。
だから彼女の表情は時に切なく。
…そうだったのか。気付いてやれなくて、すまなかった。
そう謝るかわりに細い背をぎゅっと抱きしめた。
ヴィンユフィ 大分前に書いて出し忘れてた
05/04/15
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