「お花、一本1ギルなの。買わない?」
「お花、踏まないで欲しいの!!」
彼女は花が好きだった。
「あのね、クラウド…私、生まれ変わったらお花になりたいな」
どうして?と俺は訊いた。
「スラムにたった一本咲いてるだけで皆が笑顔になれるのよ?素敵な事だと思わない?」
俺は興味ないな、と受け流した。ひっどーい、と彼女はむくれた。
『生まれ変わったら…お花になりたいな』
彼女は少しでもこうなる事を予感していたのだろうか?
あの言葉と、あの時の彼女の表情を思い出すと… 胸が軋む。
エアリス。
「大地」を意味する名を持つ彼女はきっと、ただ枯れてゆくだけの一輪の花ではなく
いくつもの花を咲かせる大地になったろうと、俺は思っている。
スラムの教会の花は、まだ美しく咲いている。
この花たちを愛した、彼女はもういないけれど
当サイトでは数少ないクラエア。
01/12/05
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